型から学ぶ、という方法はどうだろう。 | ★コピーライターが思わず ! となったコピー。

型から学ぶ、という方法はどうだろう。

今日はちょいと宣伝させて下さいね。
といっても、いつものようにスタート。
少々長いけどお付き合いください。ペンギン
 
型を知りつくして型を破ることは型破り、
型も知らずに勝手に思うままにすると型なし

正確ではないが、ある歌舞伎役者の言葉である。
 
これって歌舞伎などの芸事だけでなく、武道や
作法、芸術やスポーツにも通じると思う。
何か学ぶときに、たいてい基本の型から
入っていくことが多いしね。
 
小学生のころ少し柔道を習っていたのだが、
入門当初は、もう受身の練習ばかり。
畳にバッタンバッタン倒れて受身の型を
徹底的に身体で覚えさせられたものである。
 
技も同じように、何度も同じ基本動作を
繰り替えす。でも実戦では相手がいるので
うまい具合に技はかからない。
だから、技をかけられるよう自分なりに
工夫していくのだ。
 
そういう経験を重ねていくと、いつのまにか
基本の型を応用できるようになるものだ。
それに良くも悪くもその人のクセのようなものが
出て、オリジナリティが宿ってくるのだ。
習い事を経験したことがある方は分かると思う。
 
ミュージシャンやスポーツ選手など一芸に秀でる人を
見ていると、うまい人ほど基本の精度が高い、
すごい妙技も基本型を知り尽くしているから
できるって感じがするんだな。
たまに別次元のところから型破りなものを生み出す
天才もいるけど、それとて因数分解すれば
基本の型が見えてくることがある。
 
昔、あるベテランのコピーライターからコピー上達のために、
自分が担当する商品の分野のコピーを、何度も
英単語を覚えるようにノートに書いたことがあると聞いた。
ワープロ以前の話なので、さぞ大変な労力だったに違いないが、
その業界特有の表現を身体で覚えようとしたのだそう。
 
そういえば、あの有名人も学ぶことの心構えを
このように詠んでいる。
 
 
★今回のビックリマークコピーnot言葉。
 
 
規矩作法守りつくして
破るとも離るるとても本を忘るな

 
 
規矩(きく)作法とは、規範、ルールのこと。
これは茶人の千利休が茶道を学ぶ心構えを説いた「利休道歌」の
中の句。お茶について調べ物をしていたら出会った言葉で、
守・破・離の教え」としてよく紹介される。
 
「守・破・離の教え」とは、かいつまんで言うと次のように
解釈される。(解釈するひとによって少々違いはあるものの)
(=規矩作法守りつくして)」は、ひたすら型を真似して、
(=破るとも)」はその型から脱して、実践したり
他者へアウトプット
すること。
(=離るるとても)」は創意工夫をしてオリジナリティを
磨いて
いく。それでも基本(=本を忘るな)は忘れてはいかん
ということ。
お茶に限らず、学ぶことすべてに通じるよね。
サンキュー、千のリキュ~ル。
 
ところでコピーはどうだ。
コピーライターの方なら分かるだろうが、コピーを教えるのは
案外難しい。どこから教えればいいのか悩むのだ。武道のように
きまりごとや型があるわけでもなく、学びが体系化されていないので、
コピーライターによって教える内容も教え方も違うので、教えを乞う方も
もやもやすることが多いと思う。
 
そこで考えた。「守・破・離の教え」ではないけど、
せめて「守」の部分だけもきっちり学べる方法はないかと。
基本の型を知り尽くしていけば、実践で経験値を上げ
工夫して自分なりにコピーを上達させていけるのでは
ないだろうかと思ったのだ。
 
それで作ったんですよ。
「売る」コピー39の型という本を。
 
本表紙



文字通り、39通りの人も心も動くコピーの
アプローチや表現を解説したネタ本
みたいなもの。
広告やコピーに関する本は数あれど、こういう内容の
ものはなかったと思う。
 
その意味では、いま人気急上昇のテクノポップアイドル、
パフュームと同じように、
ありそうで無かった類の本だと思う。
 
新しい知識だとか、元気になる何かが
あるといったタイプではないけれど、ヌケるエロ本のように
何度も使える
内容に編集した。
 
ベースにしたのは、今までこのブログで紹介したコピーと記事。
50本くらいのコピーを取り上げ、39の「型」に分類して、
作り方・考え方を解説している。カッコよくいえば、
ライティングハックという感じ。
ある意味、ジャイアントキリングのための
コピーライティングってとこです。
 
解説もライティング術にしぼって、ほとんど新しく書き直したり、
加筆して2008年仕様にバージョンアップ&マッシュアップした。
音楽にたとえるなら、REMIXしてデジタルリマスターして
ボーナストラックをつけましたという仕様かな。
 
いつもの与太話やエロ話、サッカー話などは
省いた。(与太話などはブログで楽しんでくださいませ)
その代わりに書き下ろしパートがあります
 
詳しく解説できなったコピーは巻末に、ミニアドバイスを
添えてまとめた。ブログで紹介していない新しいコピーも
たくさん掲載!
150本もある
ので、コピーを考えるときに重宝するんじゃないかな。
 
それと、SNS広告会議室の協力で、一昨年担当させてもらった
コピー塾の添削事例も400本ほど掲載することができた。
初心者がけっこう陥りそうな間違いも分かるので
眺めていると勉強になると思う。
 
10年前、20年前にこんなコピーの本があったらいいのにねー
と思っていた、実用性の高い本に仕上げることができた。
39の型は、昔から使われてきた真っ当な表現やアプローチ
ばかりだし、僕なりにもっと具体的に細分化した型もあるので
実践に落としやすいと思う。
 
まずは「型」をマネして、徹底的に覚える。
コピーライターでないけど、コピーを書かなくてはいけない
人はそんな使い方を。
もう何本か考えなくてはいけないが切り口が思い浮かばないという
コピーライターの方は、ネタとかヒント集として
読むのが、オススメの使い方かなー。
 
ページが折れたり、手垢がつく頃には
コピーライティングのレベルがいい感じに
なっていると思う。
 
おおよそビジネス書とは思えない
楽しい感じの装丁をして下さったのは、
河南祐介さん。
ユル~いイラストを描いてくださった
のは寺山武士さん。オシャレなタッチが持ち味
なのに、イメージ悪くしたりして。

「面白い本にしましょ」とさりげなくプレッシャー
をかけてきた翔泳社・編集者の本田麻湖さん、
みんなで作ったという感じ
 
今やテレビもケータイも薄型流行りということで
大事なことだけをギュッとつめたので軽くて薄いのも特長
紙資源のムダを省いたエコ仕様になっています(ウソ)。

 
 
「売る」コピー39の型
パフュームのNEWアルバムと同じ
本日発売デス!

 「売る」コピー39の型/有田 憲史

¥1,554
Amazon.co.jp
 
 
興味ないよ、という方のために
最後まで読んで下さったお礼として
パフュームの「ポリリズム」をどうぞ♪