バスに、気をつけて。 | ★コピーライターが思わず ! となったコピー。

バスに、気をつけて。

前のエントリーで、モーリス・ビンダーという
映画のタイトルバックデザイナーについて、
ちょっと書いてみた。
そのついでと言うわけではないけれど、
アノひとのことを忘れていません?なんて
言われそうな、アノ大物のことを
今回はお知らせしたいと思う。
 
広告とタイトルバックデザインについての
後編という感じで。
今回もね、やっぱりある広告がきっかけに
なったわけ。前回の「いいちこ」の広告のときと
同じようにね。
 
それで、きっかけとなった
広告っていうのがコレなんだな。
 
 
★今回のビックリマークコピーデザイン。
 
 
hp02
 
 
日本ヒューレットパッカードの広告より。
昨年あたりから、よく見られる同社のキャンペーン、
“THE COMPUTER IS PERSONAL AGAIN.”
一連の広告のひとつ。
本社アメリカでは、一足先に始まっていた模様。
 
このデザインを見たときに、たぶん年配の
デザイナーの方などは、おや!と思ったのでは
ないかな。(それに映画好きもね)
だって、アノひとのタッチを思い起こさずには
いられないデザインじゃない。
 
ここで、ようやくアノひとの登場だ。
アノひとの名前は、ソウル・バス
ああ、昔そんな黒人歌手が出てくる歌番組が…
なんてギャグはもはや通用しない。
いや、それはソウルトレインでしょ。
バスでなく、トレイン!という解説まで
つけないとわかんないよねー。言わなきゃヨカッタ。
今なら、韓国のバス会社?なんてツッコミますか。
 
ソウル・バスもやはりビンダー同様、
グラフィックデザイナーが出発点で、
企業のロゴなどを数多く手がけている。有名どころでは
AT&Tやコンチネンタル航空、日本企業では
ミノルタ(現コニカミノルタ)や紀文、味の素
など。
 
でも、僕個人としてはバスは、映画のタイトルバック
やポスターのデザインの名手。とくにサスペンスの神様
アルフレッド・ヒッチコック監督とのコラボは有名だし、
バスの名を知ったのもヒッチコック映画から。
斬新なタイトルバックのデザイナーとして有名に
なったのは、オットー・プレミンジャー監督作品の
「黄金の腕」や「或る殺人」からなんですけどね。
 
それで次のデザインをちょっと見てよ。
「黄金の腕」「或る殺人」のポスターなんだけれど、
シルエットのタッチやフォント(文字)のスタイルが
よく似ていると思いません?ヒューレッドパッカードの
ビジュアルと。
 
bass01
 
bass03
 
それで、ヒューレットパッカードは
(ね、似ているでしょ)
hp03

 
バスのデザインって当時の目では、モダンで斬新。
今の目ではちょっとレトロ。でもどこかワクワク
させるし、シャレていると思いません?
ちょっとバスが手がけたポスターをココ
見てみましょう。
ざざっとスクロールしてとくとご覧あれ。
 
俳優の顔や映画のシーンをほとんど使わず、テーマ
を表現していく
方なんですね、
そこらあたりは多くの企業のCIを手がけて
いたデザイナーらしい
なと。
 
 
ヒッチコック作品の中では、これが一番好き
「北北西に進路を取れ」縦線横線が段々と…
最後に出てくるバスに
乗り遅れるおっさんはヒッチコック。
もう、おちゃめサンなんだから。

 
 
バスっぽいレトロな味だけど、バス作品よりも
洗練した感じのデザイン。クンゼル&デガの作品。
「キャッチミーイフユーキャン」

 
ソール・バスの世界

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