歳末、大放出。 | ★コピーライターが思わず ! となったコピー。

歳末、大放出。

年末年始ってこともあるけれど、
採録したコピーも溜まってきたので、
久しぶりに恒例の(といっても1年以上ぶり)
大放出やります。オモローというより、
実践的なやつを選びました。エロ詩吟の
天津木村さん風に言うと「あると思います」
ってやつです。
 
それではヒア・ウィ・ゴー!
 
☆その1
そのシフトチェンジは、瞬きより速い。

 
BMWのM3の広告より。
瞬きの速さがどんなもんかは分からないが、数値で
リアルに言われるよりそのレベルが分かりやすくなる。
針の落ちる音が聞こえるくらいの静けさとか。
 
☆その2
ヨーロッパの食通は、
オーストリア航空がお好き。

 
オーストリア航空の広告より①
「ビジネスクラス機内食、世界一」という自慢より
客観的な視点から言う方が好感がもてるという感じ。
 
☆その3
オーストリア航空は、
ヨーロッパに早く着く。

  
オーストリア航空の広告より②
ウィーン経由だと欧州100都市以上へ、乗り継ぎは
最短25分がウリなんだそう。それをものすごーく
利用者視点で分かりやすく言うとこうなる。

☆その4
匂いがなければ
もっと食べたいですよ、
カラダにいいし。

 
にんにく卵黄の広告より。
見込み客の感じている、購入へのハードルを
示すことで「あると思います」と共感させ
その商品がそのハードルをクリアすることを
伝える(あるいは匂わせる)。つまり匂わ
ないってことを。
 
☆その5
返信できないと、
「ジュリア」が悲しみますよ。

 
英検の広告より。
ジュリアからのメール(英文)のビジュアルに
このコピー。いったい何事かと物語を感じさせると
無視できにくいんだな。だから目をとめる。
 
☆その6
建て替えて新築の家に住めても、
無理なローンで苦しむとしたら、
幸せとは言えない。

 
へーベルハウスの賃貸収入付住宅の
広告より。
その商品を手に入れないと訪れる
ネガティブな未来を示してやれ!
というゴールデンルールに
リアルなイメージのコンビネーション。
 
☆その7
アラキドン酸
もしこの名前がすぐに記憶できなければ、
あなたには、アラキドン酸(ARA)が
不足しているかもしれません。
 
サントリーの健康食品の広告より。
記憶と学習に関係する成分らしいです。その特徴を
活かしたアイデアがいい。(しかも名前を覚え
させる仕掛けもあるし)商品の必要性に
気付かせるということで(どこまで正確か分からんけれど)
潜在的なニーズを顕在化させたり、ニーズから
ウォンツに変えるスイッチというわけだね。
 
☆その8
年齢肌はかたい。
だから
蒸らして柔らかくする。

 
ドモホルンリンクルの広告より。
問題とどのようなメカニズムで
それを解決するかを示すと説得力が出る。
「年齢肌をやわらかくする」と言うよりも。
 
☆その9
もう、何十年も
待たなくていい。

 
ヤマハのアコースティックギターの広告より。
ビンテージでないと出ない音が出るという
特徴によってもたらされるメリットを
使う人の視点で言いましょう。ということで
「もう~しなくていい」は使えますね。
 
☆その10
日本に、
きれいな女性が増えすぎる
可能性があります。

 
アセロラドリンクの広告より。
ビタミンCとポリフェノールがたくさんと
いう事実でこれだけ夢(デフォルメされても)を
膨らませてあげると関心を持ちますね。
自分を高める、深めるかもという
メッセージは無視できないでしょ?
 
☆その11
事故でパニックのときに、
「明日ご連絡します」なんてあり得ない!

 
ソニー損保の広告より。
これもその4と同じように、こんな商品は
イヤだなぁというというフレーズで
共感させて、「でもうちは大丈夫」と
言うと「24時間365日事故受付します」より
利用イメージがくっきりなって印象も強くなるよねー。 
 
☆その12
海を見たいなら、冬。
海と人を見たいなら、
夏でもいいけど。

 
ANAの沖縄キャンペーンの広告より。
物は言いようという見本。冬の沖縄は人が少ない、
閑散なんてネガティブに捉えられるような
ことをプラス思考で逆転。視点を変えれば、
アバタもエクボ。
平日がお休みな仕事をしている人が
「休日みたいに混んでいないからすぐ入れる」と
自慢する時と似ているよな。
 
☆その13
服と違って体は脱げない。

 
作家川上未映子さんの言葉より。
そのままエステのコピーに使えそうな表現。
ビジネス書ばかり読んでないで小説を読むと、
表現のひきだしが増えるって。
 
☆その14
塾も家庭教師も
なぜ2月に、
決めるのか。

 
家庭教師トライの広告より
なぜ、エグゼクティブはゴルフをするのか?
なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?
なぜこの店で買ってしまうのか
なぜ、占い師は信用されるのか?
…最近のビジネス書のタイトルって「なぜ」が
多い。なぜだろう?それはワケを知りたいから。
だから本を手に取る。常套句だけど無視しにくいね。
 
☆その15
よその社長は、
“建設的な”こと言うなぁ。

  
テレビ番組「カンブリア宮殿」の広告より。
この時のゲストは、建設関係の経営者だったのか。
今となっては分からないが、そうだとしたらダジャレ?
 
☆その16
ハッとする帽子(ハット)。

 
山滝製帽の広告より。
これはあまりベタすぎてふつう言わないだろう
という勝手な思い込みを見事に裏切った、
いまどき珍しいダジャレ(というかおやじギャグ)コピー。
 
☆その17
ポール・ニューマンが入れても、
うちの父さんが入れても、おんなじ味でした。
 
ブレンディの広告より。
今年亡くなったポールニューマンを偲んで
昔の広告から採録。
 
☆その18
10年前より、きれいな私。
 
雑誌エクラのアンチエイジング特集の見出しより。
昔の方がきれいとか、若い方がかわいいとか
それは間違いだよな。先日、47歳の石野眞子さんを
テレビで観たけど、アイドル時代より魅力的だったなー。
いや、そう言う話じゃなく、先入観を覆す表現は
いつも引きがありますねってことデス。
 
☆その19
人々を奮い立たせる言葉の力を
甘く見るべきでない。

 
バラク・オバマが大統領選の予備選中(ニュー
ハンプシャー)にヒラリー・クリントンに言った言葉。
コピーも同じですね、人もココロも動かしましょ。
奮い立たせましょ。日本の政治家さんも宣伝会議とかに
通ってコピーライター講座でも受講した方がいいんじゃないか。
 
 
今年もたくさんの訪問やうれしいコメント
本当にありがとうございました。
それではまた来年!(も続く予定として)ニコニコペンギン
 
良い年を!!