負けたら、政権後退。 | ★コピーライターが思わず ! となったコピー。

負けたら、政権後退。

 
責任力とか、党首力とかいいかげんな

日本語が政界から広まるのは問題だ。
おそらくコピーライターにまかせっきり

だからこうなるのだと思う。
(日本経済新聞8/19朝刊より抜粋)
 
と、政治ジャーナリストの田勢康弘さんが自民党の
「責任力」や民主党の「政権交代。」の「。」について、
その耳なれない言葉づかいや「モーニング娘。」と
同じような発想は何なのか、人目に留まれば
それでいいのかと述べていた。
 
田勢さんは、出演されたテレビ番組でも
「責任力」について、広告代理店が作った
ような…と仰っていたので、よほど気に
なっていたんだと思う。(そして、うんざり
していたのでしょう)
 
表現についての好き嫌いはともかく、
なんだか言葉が似合っていない、本当に
自分の言葉なの?誰かに作ってもらったん
じゃないのと見透かされるようなありようが
引っかかったのだと思う。
 
インパクトがあって、分かりやすいのを頼むよ。
なんて、ざっくりした依頼のもとに、
作りました。そう思わせるところがあるようにも
思えるが、そのいいかげんな日本語を生んだ
原因としてコピーライターが
やり玉にあげられ、いいかげんな職業のように
思われるのは悲しいものだ。
 
話題になったオバマ大統領のスピーチライター、
ジョン・ファブロウは、あんなにも
絶賛されているというのにだよ。
 
オレもダジャレを言っている場合ではないよな、
とコピーライターの地位向上に貢献しないとな
と思っていたら、こんなコピーを目にした。おやおや。
 
 
★今回のビックリマークなコピー。
 
 
増えすぎた
カラーボックスには、
辞任を要求したいと
思います。
 
収納問題、かたづけよう。

 
 
スウェーデンのインテリアブランド、
イケアの広告より。
今の時期、与党から野党までネット広告を
展開しており、ニュースサイトなどを眺めていると、
視界に各政党のディスプレイ広告が入ってくる。
 
曰く、
日本を考える夏にしてください。
とか。
 
それはそのまま候補者のみなさんに
お返しします言いたくなるような
メッセージが毎日のようにあらわれる。
 
そうした状況のなか、どさくさに紛れるように
PCの画面に表れたのが、上のイケアの広告である。
これにはもうひと種類あるようで、それがこれ。
 
わが家のマニフェスト。
1日も早い収納問題の解決を
目指します!
 
収納問題、かたづけよう。

 
イベントや世間の関心が高い物事、
流行語に便乗したメッセージというのは、
賞味期間が短いながらも、たんに注目して
もらうということであれば効果的である。
 
ただ、あまり知られていない商品や
ブランドが使うのは分かるが、
イケアほどのブランドが何もそこまで
という気はしないこともなく、
小さく表記されていた「PLICE DOWN 
新価格になりました」という部分と
ロゴマークを大きくするだけでも
クリックされそうな気もする。
でも、何か一言言わずには
おれなかったのだろうな。
 
ところで、「日本を守る、責任力。」と
生活を守りぬく。」と与党勢の
選挙スローガンは、
どちらも「守る」を使っている。
実際、今回は守りたいのは議席数
では?と言いたくなるような選挙戦のようで、
それに合わせたかのよいうに
超守備的な戦略が見える。
 
もともと守備については2つの党は、票田や
支援団体のおかげで堅牢だったはず。
前回はそれに加えて、高い攻撃陣もあってか
大勝したわけだが、今回は決定力不足だし、
自慢の守備陣もあやしく、守って守って
逃げきらざるを得ないような戦いぶり。
 
一方、民主党は「まず、政権交代。」と
くわしい話は後、とりあえずビールという
まるで飲みに誘うかのような言いようで攻めまくる。
とりあえず政権交代、何が何でも政権交代、
と「ロンドン、ロンドン、楽しいロンドン、
愉快なロンドン」と昔よくオンエアされていた
キャバレーロンドンのCMのように
リフレインを叫ぶことで、政権を交代する
ことに意識を向けさせようとしている。
 

でも、戦い方は理にかなっている。
高邁なことを言うよりも効果的だと思う。
負けちゃったら、政権交代が政権後退に
なるけど。
 
とにかく交代しないと何も変わらないと
刷り込みをしたいのだ。
民主党は3点取られても4点取って
勝つぞという超攻撃的な戦い方。
前のめりできています。
 
それを考えると、与党も「守る」なんて言わずに、
「いま変えても知らないよ、株価もGDPも
上向きなのに」と変化することの不安を
ぐいぐい突いて有権者の心理をぐらつかせたり、
焦点をしぼって「こんなに負担が増えるよ」と
訴えた方がまだましだと思う。
 
前のめりといえば、共産党もやや前のめりで、
以前の「確かな野党」という、とても似合っている
素敵なスローガンは、今回使っていないようで、
いまこそ、日本共産党」と「いまこそ」という
just do itなフレーズが攻撃を感じさせる。
 

たぶん「確かな野党」のままだと、
「確かに野党」と無冠のチャンピオンの
ように揶揄されるのを恐れたのかもしれない。
個人的には、ストップ・ザ・蟹工船!くらい
言って欲しかったっす。
 
ちなみに政権交代という言葉、
「政権交代、広島死闘編」とか「政権交代、代理戦争」
「政権交代、頂上決戦」「政権交代、組長最後の日」とか
映画「仁義なき戦い」シリーズのタイトルをもじると、
しっくりくることに気づく。どうでもいい話です。すみません。
 
こんな風に、言葉をいじくったり、ダジャレばっかり
考えているから、コピーライターにまかせると、
いいかげんな日本語が…なんて言われるのだろう。
 
そうではない。おまえがそんなくだらないことを
書くから、いい加減な職業と思われるのだと
同業者の方から突っ込まれそうな気もしてきた。
 
久しぶりに更新したかと思ったら、

引っ張るだけ引っ張って、そんな

くだらない話かよ。時間を返せ

と怒られそうなので、
ここらへんでおいとますることにします。
 
では、ごめんなすって。