ハードル下げて、説得力上げるとか。 | ★コピーライターが思わず ! となったコピー。

ハードル下げて、説得力上げるとか。

パソコンの画面を眺めていると、バナー広告が目に入る。
その画像の中に女、かわいいじゃないか。目が合う。

 
女がわらいかけていう。「こんにちは」
「こんにちは」思わずつられて応えてしまう。
「いま何しているの、お仕事?」

 
「そう。いまは休憩中」軽い嘘をつく。
「こんなにおそい時間に?大変ですね」
笑顔から心配そうな表情に変わる。

 
「いや夜だから平気」2つめの嘘とミエ。
「そっかー。でも、夜ずっとパソコンの画面を
見ていると目が疲れますよねー」

 
「たしかに。つい長時間見ちゃうから」
「そうそう、わたしも同じ。だから最近ケア
しているの。いい方法あるよ」

 
「どんなこと?」
「サプリ。ブルーベリーの。ブルーベリーって
目にいいのよ」
「ああ、聞いたことがある。アントシアニンだっけ?」

 
「すごい。よく知っていますねー。そのアントシアニンが
いっぱい入っているの。お仕事とかでけっこう

パソコン使います?」
「1日のほとんど画面を見ているかなぁ」
「わぁ大変。だったらこのサプリ飲んだほうがいいよ 」

 
「そう。考えておくよ」
「うん、いいよ。でも今申し込むと安いかも」
「いくら?」
「ひと袋3000円、これでだいたい一か月分くらい。
それが1980円。特典もついてきますよ」
「それはお得だ、特典もあるんだ」

 
「特別会員になれるの、会員になると毎日こうして
私とお話できるの。息抜きになりますよー」
「それはいいね、面白そう。目もケアできるし」
「そうでしょ。申し込んでみる?」
「うん、申しこむ」

 
「わぁ、ありがとう!うれしい!下のボタンを
押してね。今日はこれで終わりだけど、また明日
ログインしてね。お話しようよ」

 
…と、まぁそのうちこんなバーチャル広告とか
マーケティング・システムが普通にあるんだろうけれど、
こうなっちゃうと、池の中でカッパに
尻子玉を抜かれるように
ろうらくされるんだろうなと思う。
次のもまたバーチャルということで。
 
 
★今回のビックリマークなコピー。
 
 
お金の話を
してください。

 
■「料金は、1レッスン5000円から7000円台」
□「え?いきなり公開!」
■「隠すことは何もないからな」
□「何で料金に幅があるの?」
■「主に申し込むレッスン数によるものだ。
Gabaでは目的に合わせて、レッスンも全体プランも
カスタマイズ。そこで料金に幅が出る」
□「結構するんですね」
■「グループレッスンよりは高いだろう。
しかし、一人が話す量とクオリティ、上達速度を
考えれば、結果的におトクと断言する」
□「何でマンツーマン専門なんですか」
■「会社の会議を思い出してくれ。人が多いと、
どうなる?」
□「ダラダラする」
■「では、中高の英語の授業はどうだった?」
□「池田先生が美人だった」
■「授業の内容だ」
□「人前で間違って恥ずかしかったり、友達のヘンな
発音を聞かされたり…」

■「グループよりマンツーマンである理由が、分かるだろう」
□「でも、やっぱり高い買い物ですよね」
■「もちろん、だからさらに約束しよう。内容に納得できな
かった回のレッスンポイントは変換しよう」
□「ホントに?」
■「ホントだ。あたり前の話だからな。詳しくは
無料体験レッスンを受けるといい。他のスクールと
比べてもいい。Gabaには料金以上の価値があることが、わかるはずだ」
□「ところで、あなたは?」
■「Mr.話を聞く人。このよく動く耳に、なんでも話してくれ」
□「うわぁ!ウネウネしてる」
 
 
英会話スクールGabaの車内広告より。昨年の春あたりから
よく見かける。シリーズ展開のようで、テーマごとに
コピーも異なる。今回のは、「お金の話をしてください」
ということで、テーマは受講料について。

 
Gabaの広告は、前からしっかりコピーで伝えようとする
内容のものが多く、コピーの文字量も多いので、コピーや
文章について学ぶべきことがいろいろとあった。

 
今回の広告は、電車内というわりとじっくり見てもらえる
環境なので、文字量が多いのも不利にならない。
Gabaは、マンツーマン専門のスクールということで、
以前よりマンツーマンの価値をさまざまなテーマや表現で
伝えてきており、一貫した姿勢で継続していることは、
見た人にGabaの良さを知覚させる上ではよいやり方だ。

 
消費者の頭の中にGabaの特徴が知覚されていない段階で、
あれもこれも言うと、情報の受け手は混乱して
かえって特徴が知覚されにくい。

 
紹介したシリーズのコピー、Gabaと見込み客の
やりとりを表したもので、いわばバーチャル問答という
感じでしょうか。

 

見込み客の知りたいことを想定してそれに

答えるというアプローチを、問答というかたちで

やると、見込み客主体のようなスタイルになるので、

一方的な説明より納得しやすい。
(悪徳業者の中には、こういう想定問答をマニュアル化
していますな)
 

こうしたアプローチの特長はというと、
お客の立場から見て、不安に思うこと、誤解しそうな
ことなど障害のハードルを先回りして下げること。

一種のリスクヘッジ。

 
そしてたしかに良い商品だという印象をもってもらうこと。
上のコピーでは、見込み客は受講料が高いのでは?
という不安を受け止めて、その理由と価値を話すことで
障害のハードルを下げてもらおうとしている。

 

賢い消費者は、ネットなどで口コミから調べるだろう。

広告のミッションは、マンツーマンの価値は、価格以上

だということを知ってもらう。そこまで。

ここではすぐのコンバージョン(購入や予約など) は

目的ではないはず。

 
商品の良さを理解してもらうことが
目的の場合、説得術としてのコピーになる。
(通販広告の場合は、さらに説得と販売技術の
コピーが求められる)

 
広告にもいろいろと目的があって、それに応じて
表現も考えなければならないのだが、わりと
できていないことが多く、広告や宣伝ツールが
機能していない場合、大きな原因になっていることが
あるのではないかと思っているんだが。

(広告は効かない、ではなく、効かない広告を

作ってきたのでは?)

 
説得型のコピーでは、商品によっては情報量が
多くなる場合がある。

コピーが多い方が有利というケースがいくつかあって、

たとえばその商品が、これまでなかった画期的な

ものである場合とか、しくみや機能が複雑であるとか、

 

健康とか成功につながるものとか、高価であるとかなど、
きちんと説明しないと理解、納得されない商品は
長くても読んでもらえることが多いとされている。

(原則的にではあるが)

 
それで、よい商品だと理解してもらいたいが、
Gabaのように広告にお金をかけられない場合でも、
アプローチそのものは応用できる。

 
ネットのテキスト広告で、クリックした先の
ランディングページで説得型コピーでアプローチ

するとか、商品カタログと一緒に別の宣伝ツール

(疑問に答えます!など)として渡すとか、

応用方法は、考えればいろいろあるんじゃないか。