ふりんふりん物語 | ★コピーライターが思わず ! となったコピー。

ふりんふりん物語

人生はとても短い、くだらないことで
ケンカしている場合じゃない。
life is very short and there's no time~
と、ビートルズは、「WE can work it out(恋を
抱きしめよう)」(1965年)で歌った。
 
23~25歳の若者が、人生がとても短いなんて
どんなに生き急いでいたんだと、あらためて驚く。
自分が同じ年のころは、すでに2点くらいは
先制されていたけれど、まだ前半だ、後半に決めて
やるという気概もなく、ちんたらとゆるいパスを
回してお茶をにごしてような気がする。
 
しかし、「人生は短い」なんて手あかにまみれた
フレーズも、普段は眠っている‘衝動の澱’を
起こすには十分すぎる表現だろう。
言ってみれば、時間の希少性でつつくやり方、
期間限定です、お早めに!と同じである。
 
手あかにまみれたといえばこんなのもある。
人間には2つのタイプがある。お尻を拭くときは、
利き手を使うタイプと利き手でない手を使うタイプだ。
というように、<世の中には2種類の人間がいる>
二元論もどきのフレーズである。
常套句とはいえ、種類の分け方によっては妙に説得力が
出てくるから言葉はあなどれない。
 
<人生は短い(あるいは長い)>も、
<人間(あるいは商品)は2種類しかない>も
コピーに使われているのは、今まで見たことないが、
使い方しだいでは、強力なメッセージになるよ。
 
しかしだな、いくらなんでもこれは飛躍しすぎではないか。
 
 
★今回のビックリマークなコピー。
 
 
LIFE IS SHORT,HAVE AN AFFAIR.
(人生は短い、不倫をしよう)

 
 
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不倫の出会い系サイト<Ashley Madison.com>の
ヘッドライン。(赤丸で囲っている部分)
あまりのあけすけな言い草に、吹き出しそうになる。
むかし見た裏ビデオのチラシに書かれていたコピー、
‘安上がり、性病の心配なし!’以来である。
 
飛躍しすぎとは言っても、人生の後半戦、
1-0でリードしていても追加点は欲しい。
特に0-2でリードされていれば、ここいらで逆転の
きっかけが欲しい。
 
ロスタイムもPK戦もない人生の場合、
残り時間が少なくなると、思い切って
リスクをとり、パワープレイをするかもしれない。
そんな動機づけをする強力な表現だ。
 
ドラマ『同窓会』を観た後、妙に心がざわついて、
急に昔のアルバムやアドレス帳が気になりだしたら
要注意だ。理性のタガなどたかがしれている。
 
人生は短いというフリはいいとして
問題は、だから不倫ですか。そこに行きますか
という点。しかしこればかしは、人間だものと
相田みつおの詩のような心境で接するしかない。
ただし、他人事に限っての話だが。
 
それで、この会員500万人(70%が男!)を抱える
不倫サイトを運営するオッサンだが、
不倫が結婚生活を長持ちさせると、独自の見解を
お持ちのようで、ビル・クリントンなど不倫スキャンダルを
起こした有名人(ただし、離婚していない)の例を挙げて、
ちゃんと結婚生活は続いているでしょうと得意げに
自説を主張している。
タイガーウッズは何を思う?
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しかし、人の不幸につけ込んで金儲けしているという
ツッコミにはノーコメント。この偽善者め。
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妙な理屈をこねずに、サイトのコピーのようにあけすけに、
自分の考えを主張すればいいものを。
おかげで儲けてますが何か?くらいは言ってほしい。
どちらにしても、仲良くなれないタイプである。
 
夫への愛情が薄れて入会した結婚10年のカレンさん、
不倫のおかげで、結婚生活は無傷、前よりも
うまくいってるとか。
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ただね。
不倫にとろけていようが、
とろけるプリンだろうが、
何かを得ようと思ったら、何かを失うことを
覚悟しなくてはいけない。
 
それはお金かもしれないし、、時間かもしれない。
信用かもしれないし、社会的地位かもしれない。
また、友人や家族かもしれない。
あるいは愛情かも。それとも命か。
問題は、失うものの価値が得るものと
イコールでないことだ。
 
でもカレンさんは、しあわせだとさ。
おおきなお世話でした!
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不倫ソング不朽の名曲といえば<Me And Mrs.Jones>。
’72年にビリー・ポールによって大ヒット。フィリーソウルの
クラシックでもある。だからスイートでメロウ。
ひげもじゃのビリーよりも、ここは微妙にイケメンだが、
歌は抜群にうまいマイケル・ブーブレ版を。
マイケル君が、ジョ~ンズ夫人と狂おしく切なげに歌います。



僕はマイケル君の歌の中では、これが好きだな。
弾むようなピースフルなメロディがよろしい。
しかし、このPVはどうだ。もてない童貞男の妄想じゃないか。
僕も中学から大学まで毎日似たような妄想をしていたわけだが。