反撃したいなら、待てと言え | ★コピーライターが思わず ! となったコピー。

反撃したいなら、待てと言え

戦国時代について書かれた小説や研究書を
読んでいると、合戦の定石のようなものを
知ることができる。戦の基本ってやつ。

 
たとえば、敵の兵力の方が多い場合、
少しでも相手の兵力をそぐことを考える。
敵が分散するよう陽動作戦を仕掛けたり、
ワナにかけて奇襲をして兵力を減らしたりと
初手は、なるべく相手との差を縮める
ことから始めるとか。

 
あるいは、味方の損害を最小限にとどめ
優位に戦が進められるよう、戦の前に
敵の中から忠誠心の薄い家来や属国に
目をつけて、寝返りを働きかける、
いわゆる調略というやり方とか。

 
こうした考え方というのは、時代が
変わっても、変わらないようである。
ビジネスも戦争だといわんばかりに、

経営戦略とかマーケティング戦術とか

「戦」という言葉が使われているように、

どこか戦いというものを意識せざるを得ない
わけだ。

 
今の世の商売だと、シュアの奪い合いや
顧客の獲得は、さしずめ戦における
領土拡大ということでしょう。

 
さて、ここに失った領土を取り返す、
あるいは領土流出を食い止めるために、
反撃を試みようとする企業がいる。
 

市場への参入も大きく出遅れて、あせって
いる模様。そこでどのようなメッセージを発した
のかというと、かつてドコモの
「そろそろ反撃してもいいですか。」のような
起死回生をねらった大ばくちでも奇策でもなく、
それどころか肩すかしのようなメッセージ。
 

でも、そのセオリーに忠実というか、
とりあえず、第一声はそれがいいよねと
納得してしまったよ。
いや、たぶんに深読みであるのだけど…
 
 
★今回のビックリマークなコピー。
 
 
未来へ行くなら、アンドロイドを待て。
 
 
auのスマートフォンの広告より。
ああ、なるほど。その手があったか。
CMでそのタグラインを見た時にも思ったものだ。

 
「待て」は、そのまま受け止めれば、
<新発売だよ、スマートフォン、カミングスーン
なのでそれまで待ってください>でよいのだろう。
けれども、深読みすればiPhoneを買うのを
ちょっと待ってねというメッセージ
だと言えないこともない。

 
最近ではアンドロイドOSのシェアは急激に
拡大をしているようだけれど、
日本国内ではスマートフォンといえば
知名度、シェアともまだiPhoneだ。

 
たぶん大半の人がアンドロイド?
何それ?という状況ではないかと思う。
印象としては、一周遅れどころか二周遅れの
アンドロイド。さぁどうするよって状況だろうか。

 
だから、まずはじめは「待て」で攻める。
遅れているのを重々承知だから「待て」で
iPhoneへ流れるお客を立ち止まらせたい。
狙いはそんなところじゃないかなと思ったわけだ。
(auはそこまで考えてないと思うけど)

 
スマートフォンがケータイのように成熟して
熟れすぎて困っちゃう、あとは腐るだけのような
市場ではなく、これから拡大するピチピチした
娘さんのような市場であることがチャンスだ。

出遅れてはいるが、市場はまだ発展途上なので

逆転は可能だ。

 
これからスマートフォンを選ぼうとする人の中で、
絶対、iPhoneがいい!というアップルファンの
ような層は捨ててもいい。
狙いたいのはどっちにしようかなという迷っている人、
iPhoneへの忠誠心の薄い人、iPhoneに不満がある人だろう。

 
つまり、一目散にiPhone売り場に直行する人ではなく、
とりあえずiPhone目当てだが、au売り場もキョロキョロ
したい人である。趨勢を見極めて決めたい人々を狙いたい。

 
そんな人にどんなふうに声をかければいいか。
まだ商品も出ていないのに。

アンドロイドはすごいよと言ったって、どうスゴイ

のか分からないだろう。まずは流れを止める、

そんなメッセージがあればいいのだ。

 
それが「そこのお客さん、待ってよ。もうすぐ
アンドロイド出るよ。それから決めても
遅くないんじゃね。あせると損だよ」という
ニュアンスを含んだ(と思わせる)「待て」

だと考えてしまう。

 
とにかくiPhoneに行くのを阻止すればいいのだ。

奇襲作戦でiPhone見込み客を少しでもそぐ、
iPhoneに傾きかけている客を寝返らせるのが
狙いだとしたら、なかなかの策士かもしれない。

 

あとはいろいろなチャンネルから、情報を届け

続けて「アンドロイドもすごい」という雰囲気を

作っていくのだろう。

 
商品が競合と十分渡り合っていけるなら、

出遅れても、「待て」と自分こそがメインイベンター

だと誇示しながら登場するのも、戦術的には

あるんだと思う。

 
iPodに席巻されたウォークマンだって「音質に
こだわりらいなら、ウォークマンを待て」なんて
言えたかもしれないし。

  

今の世は「巧遅より拙速を尊ぶべし」といかに
早く市場へ参入するかが運命をにぎると言われて
いるけれど、遅れてしまったら「ちょっと待った!」
と閃光弾を投げ込むようにデカイ声をあげて
ズカズカ入っていく。

 

あまりに普通なので、案外と思いつかないかもしれない。
(ただし、それなりの商品でないと、おととい来やがれと
ボコボコにされるかもしれないけど)

 
もっともアンドロイドOSが市場を席巻したとして、
今度は端末メーカーごとの勝負になって戦国時代と化し、
アンドロイド同士で熾烈な戦いになっていくのかなと思うと、
それはそれで大変である。

 

そんな戦いをしり目に、たぶんジョブス将軍は

少々シェアを奪われても、「ごみ虫ども、せいぜい

潰し合っていろ。わが帝国は痛くもかゆくもないもーん」
と相変わらず、俺は俺の道を行くべしと、ほくそ笑んで

いるのではないかと思うのだが。
 
ところで、auの広告ではキャラクターとして
レディー・ガガと陸上のウサイン・ボルト
選手が使われている。僕が見たのは、ガガバージョン。

 
ポップスの新しい時代を開いたのは、
ガガのド肝を抜くパフォーマンスだった。
というコピーが添えられていた。
ガガはサイバーパンクに出てくる女性アンドロイド
のようなキャラなので、ピッタリだと思う。
が、しかし、しかしだよ…
 
「ちょっと待てや~」と奇襲するかのように
ダイブする姐さん。たしかにド肝を抜かれます。

姐さん、なんちゅうカッコウですか。

★コピーライターが思わず ! となったコピー。-gaga01
 

 
そしてもみくちゃにされる姐さん。
あ、姐さん、乳が!SOS!
いいんですね、これでいいんですね、au。


★コピーライターが思わず ! となったコピー。-gaga02
 

 

同じもみくちゃですが、こちらは
カイリー姐さん、負けていません!

ゾンビにつかまっているわけではありません。

★コピーライターが思わず ! となったコピー。-kylie01
 

 
愛と美とエロをつかさどる、
現代のアフロディーテー、42才!
おじさんは、こちらの姐さんの方がいいです。
ガガ姐さんは、急に襲ってきそうですしね。


★コピーライターが思わず ! となったコピー。-kylie02

オマエ、毎日こんな画像ばっかり集めているんだろ

と言うのはなしですよ、旦那、へへへ。