冷静にふるまうための3つのルール | ★コピーライターが思わず ! となったコピー。

冷静にふるまうための3つのルール

ここ2,3日、被災者以外の人々の
心の荒み具合が気になっている。
 
地震直後からテレビやネット、ツイッターで
情報収集していた。特に最初の二日間、
ツイッターでの情報提供や呼びかけは
それはもう見事な連携であった。
心底すごいと感動した。
 
ところが、3日目あたりからツイッター上で
発信者に対して、そしったり、あげあしを
とるような発言が目立ってきた。
売り言葉に買い言葉、そしられた方も
やりかえすから、言葉もきつくなってくる。
普段なら気にならない物言いでも
突っかかってしまう。
 
せっかくいい情報を提供してくれた方が
途方にくれたり、傷ついているのを見た。
双方とも悪気はないどころか、良かれと
思って言っているのは分かる。
 
無理もない、メディアを通じて
いろいろな情報が次々と入ってくるのだ。
悲痛なこと、元気が出るような話が
ランダムに飛び込んでくる。

 

情報を受け止める方は、いっぺんに
喜怒哀楽が大きなふり幅でゆらぎ
感情のコントロールが難しくなってくる。
その結果、過剰反応や感情の高ぶりが起きて
冷静に考えることができない。
だから、目につくものに八つ当たりしてしまう。
 
僕もあやうくそうなりかけた。ただでさえ
気が小さいのに、ものすごい量の他者の感情を
まともに受け止めてしまい、「何かしないと!」
「何ができるか!」と気が早ってしまい、落ち着かず
浮足立ってしまっている自分に気づいたのだ。
 
これはまずいと思って、いったんテレビや
ネットから離れた。気持ちをクールダウンさせ
平常心にもどろうと努めた。
昔、世界チャンピオンになった日本人ボクサーの
言葉を思い出す。
「カッとなりそうになったらまず深呼吸を3回して
心を落ち着かせます」
 
マーク・トウェインだって「頭に来た時は百まで数えよ」
と言っていたではないか。
だから深呼吸して気持ちを整え、必要な情報だけを
取ることにした。
当分、混沌とした状況は続く。そこで自分が冷静で
いられるよういくつかルールをきめることにした。
 
一つめ、平常心を保つこと。
感情の揺れが激しいと思考も言動も感情任せに
なってしまい、自分や他者を傷つけてしまう。
平常心を保つためにテレビやネットで前のめりに
なって情報収集しない。感情がバランスを
欠きそうになったら情報を遮断する。いざと
いうときに冷静に行動できるようにしておく。
 
2つめは 寛容になること。
内田樹さんのブログ<未曾有の災害の時に >を
参考にさせてもらった。いまは誰も責めずそしらない。

たしかに政府や東京電力、メディアの対応をみると

腹立たしくなることがある。
しかし、いま十分でないにせよ、それぞれが最善を

尽くしている。
 
マスゴミ呼ばわりされているテレビだって、
CMを流さず広告費収入をすっ飛ばして報道に努めている。
至らなかったことは後で検証してただせばいい。

いま文句や不満を堂々と叫んでいいのは、

被災地の人たちだけ。
 
ツイッターでも他者の発言にかみつかない。
不謹慎だ、自粛だと突っかかっている人もいるが、
思いは同じのはず。立ち向かう先は
他人のツイートではない。寒さや飢えに怯えながら
助けを求める被災者のことを想像しよう。
相手にするべきは彼らが直面している困難である。
 
また、感情に言葉をのせない。感情が高ぶって
いるからといって八つ当たりしない。
 
たしかに東京で買い占めに走る人たちには

呆れる。恥を知れと言ってやりたい。
しかし、官房長官やツイッター上でも

いろんな方々が「ストップ、買い占め」を

呼びかけている。事態の収拾を期待したい。
 

それに彼らとて普通の人々である。
買い占める人を引きずり出して吊るし上げても
気分が悪いだけだ。

 

買い占めた人の中には、いまごろ冷静になって

悔やんでいたり、自分を責めている人もいるだろう。

いま彼らを追いつめてなんになる?
 
3つ目は、いまとこれから自分が何をすべきか考える。
東京にいる身としては、いまは節電に努めること、
義援金に協力する、役立つ情報があればツイートする
ことくらいしか貢献できない。
あとは、普段通り仕事をして過ごす。
 
被災地の復興には時間がかかるし、次々と新しい
克服すべき課題が出てくる。そういう状況に
対して、この先自分が寄与できることを探る。
そのためのアイデアを考えたり、力を蓄えておく。
無理せずに自分ができることをやる。
 
以上の3点をこの状況における自分の行動指針としたい。
さらに色々な情報が飛び交って何を信じればいいか
分からないこともあるが、自分の直観にしたがうことにする。
 
それぞれ置かれている状況によって変わると
思うけれど、できればこの状況下での
自分のルールを決めた方がいいと思うよ。

最後に藤原新也さんの言葉(ShinyaTalk3/15 )を
お借りて、自分ががなすべきことの基本姿勢を伝えたい。

 
被災地の映像に向かって手を合わせるのもいい。
ツイッター上で祈りの言葉をつぶやくのもいい。
普段より節電を心がけるというのもいい。
コンビニに商品が入荷したら後の人のことを考えて
商品をなるべく残して行くのもいいだろう。
現地に赴いて木切れひとつも片付けるのもいい。
募金箱にコインを入れるのもいい。
献血をしたいと言った人がいたがそれもいいだろう。
 
そういったささやかな行為がこのあまりにも
甚大な絶望状況を救うとは言えない。

 

だが過剰なレスキューファンタシーに陥ることなく、
そして無力な自分を責めることなく、
ひとりひとりが冷静に身の丈に合った何かを
「する」ことこそが大事
なのである。
 

 
次回からはいつもの感じに戻ります(予定)。


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